野生派トマト狼桃(おおかみもも)を君は知っているか!
「野生派トマト狼桃(おおかみもも)」のネーミングを見たときは、中学生の男の子が好みそうな名前だなぁと単純に思った。
「刺激的で、人の目を引きそうな、格好の良い名前だろ?」といった、言葉のドヤ顔。そこに本質はあるのか否か?
気になってHPを調べてみると(まんまと先方のネーミング作戦にひっかかった!)、「狼桃」は、あの分類学の父、カール・フォン・リンネさんがトマトにつけた種小名 「lycopersicum(ギリシャ語で、lycos '狼' + persicos '桃')」に由来しており、「そのまま名前にしたけど、何か?」系のネーミングであったことが判明。
しかも、あの三国清三氏の「オテル・ド・ミクニ」にも卸されていて、「日本一」と認められている究極のトマトらしい。
栽培方法も興味深い。説明を見ると、「 トマトの原産地、アンデスの厳しい環境に限りなく近づけて栽培し、トマト本来の野生の力を引き出して」栽培したとある。
これは、私の実践している永田農法と同じ考え方ではないか!
さらに、土はドリルを使わなければ苗を植えられないほど固められ、水もほとんど与えていないというスパルタ教育!
そんな環境で育てられたトマトは、「糖度は9度以上あり、甘さだけでなく、酸味とのバランスがとれた本来の旨み」があるという。
そこまで言うなら、食べてみようじゃないか。ということで、早速注文しようとしたが、値段を見て驚愕。
商品代金 4,594円。茨城までの送料を入れると5,644円。
直径4cmくらいの小さいトマトが24個で!一個当たり約235円になる計算だ。
毎月のお小遣いでやりくりしている私としては、ダチョウ倶楽部でなくとも「殺す気か!」といいたくもなる。
しかし。
しがない借家アパートのベランダでトマト栽培をおこなっている私ではあるが、心は錦。「世界一のトマト」を目指すのであれば、「日本一のトマト」くらい食べておかないでどうする!と、「四万十川 『野生派トマト 狼桃』(小箱) 最高ランク『松』4,594円送料別」を無心で注文。
で、届いたトマトがこれ。
ギュッと身がしまっているのが、見ただけでわかる。
横半分に切ってみたが、ほとんどジェルの部分がなく、種も異常に小さい。
種を採取して、育ててみようかしらと一瞬、チラリと思わないことも(たぶん)なかったと思うが、難しそうである。
かぶりついてみると、濃厚でしっかりした食味・食感。
やや尖った酸味と若干の青臭さがまず口に広がり、十分な甘みも追いついてくる。
皮はしっかりしているが、口に残るようなことは全然ない。
中身の食感は、ジェル部分が少なくて果汁も飛びちらず、実の部分をしっかり味わえる。
クール便で届いたのだが、常温にもどして食べたところ、酸味よりも甘みが立ち、よりフルーティな感じになったのも楽しめた。
普通にスーパーとかで売っている硝酸バリバリの桃太郎トマトしか食べたことがないような人だと、「これはトマトではない!うますぎる!」と驚嘆するのではないかしら。
ただ、もう一度、あの値段を出してまで食べたいかといえば、どうかな。
先日、1パック160円で購入した鉾田市農友会のミニトマトのほうが、もう一度食べたい気がする。
今回思ったのは、甘みと酸味、青臭さや食感など、色々な要素のバランスで「美味しさ」を感じるのであって、ある程度のレベルになると、後は好みの問題なのねってこと。
嫁なんかは、日頃から、それなりに美味しいトマトを食べていることもあり、「んー。たしかに美味しい。」という感想のみ。
食べさせがいがないね!嫁!